「ユネスコエコパーク」とよく似た取り組みのひとつに「世界遺産」があります。世界遺産とはどんなもので、そして「ユネスコエコパーク」とは、なにが違うのでしょうか。

■世界遺産は「地球の宝物」

世界遺産とは、ユネスコが進める活動のひとつで、未来に残さなければいけない様々なものを守るために行われています。人類の歴史を調べる上でとても重要な遺跡や、珍しい生き物がいる場所などが、こわれてしまわないように、国際的に保護をしています。
世界遺産には大きく3つの種類があります
 ●文化遺産 記念物、建物、遺跡など
 ●自然遺産 地形、生態系、貴重な生き物がいる場所など
 ●複合遺産 文化遺産と自然遺産、両方の価値があるもの

▲ユネスコのシンボルマークと
なった、ギリシャのアクロポリス

▲世界遺産の動画を見る

■世界遺産ができたわけ

1960年代、アスワンハイダムの建設によって、ナイル川流域にあった「ヌビア遺跡(いせき)」がダムの底に沈んでしまう危険がありました。ユネスコは、この遺跡群を救うために救済キャンペーンを行いました。このときに「人類共通の遺産」という世界遺産条約の基本的な考え方が広がり、1972年(昭和47年)、「世界遺産条約」の採択へとつながっていきました。

▲ヌビア遺跡

遺跡なんて、こわれてしまってもしょうがないんじゃないのかな?

そんなことはないわ! 遺跡は昔の人がどうやって生きてきたかを知るための手がかりが残っているものなの。

遺跡の調査は世界中の研究者ががんばって進めているけど、今でも、分かっていないことがたくさん残っているわ。この先、もっと研究が進んだり、今よりもよい研究用の機械ができたりすれば、もっとたくさんのことが分かってくるはず。

それなのに、今こわしてしまったら、本当は分かったはずのことが、永遠にわからなくなるかもしれない。そんなの、とってももったいないと思わない?

■ユネスコエコパークとは何がちがうの?

ユネスコエコパークと世界遺産のひとつ「世界自然遺産」は、同じく自然環境の保全を目的としているため、似ていると思われることも多いようです。このふたつのもっとも大きな違いは、ユネスコエコパークが人と自然がともに作り上げた環境を守るものである一方で、世界自然遺産は人間の影響が少ない、手つかずの自然を守るものであること。そのため、世界自然遺産として認められるための決まりと、ユネスコエコパークとして認められる決まりとは、大きくことなります。
日本の世界自然遺産は、知床(北海道)、白神山地(青森県・秋田県)、小笠原諸島(東京都)、屋久島(鹿児島県)の四カ所があります。

世界自然遺産の方が大事な自然ってことなのかな?

そう思ってしまうのもしょうがないところはあるかもね。なぜなら、「世界自然遺産」のほうが、めずらしかったり、きれいだったりする自然が多いもの。

でも、「手つかずのまま残っている自然」と、「人と自然が一緒に作り上げてきた自然」、どっちが大事なんて決められないでしょ?

世界自然遺産とユネスコエコパークは、似ているけど違うもの。だから、比べられるものではないの。

■世界の代表的な自然遺産

世界にはさまざな自然遺産があります。代表的なものをいくつか見てみましょう。

ポイント

■世界遺産とは、「未来に残さなければならない」建物や文化、自然などで、
 世界中が協力して守っている
■ユネスコエコパークとことなり、世界自然遺産は「手つかずの自然」を守っている