山ノ内町が登録された「ユネスコエコパーク」とはどんなもので、山ノ内町の他にはどこがあるのでしょうか。そして、なぜユネスコエコパークが必要なのでしょうか。

■ユネスコエコパークは「自然と人が仲良くくらす場所」

ユネスコエコパークはユネスコの取り組みのひとつで、正式な名前は「生物圏保存地域(せいぶつけんほぞんちいき)」といいます。
自然を守るためのユネスコの取り組みでは「世界遺産」が有名ですが、これは手つかずの自然を守るためのもの。ユネスコエコパークはその場所でくらす人々の生活と、動物や植物、昆虫などの生態系(せいたいけい)のバランスをとり、人間と自然が仲良くくらすことを目的としています
ユネスコとユネスコエコパークのロゴマーク

「人間と自然が仲良くくらす」ってどういうことなの?

自然は確かに大切なもの。でも、例えば森を守るために、道路を作らなかった
ら、みんなの生活はどうなるかな?

病気やケガの人がいた時に、救急車が間に合わないかもしれないし、買い物に
行くために回り道をして、ガソリンをいっぱい使ってしまうかもしれないよ
ね。

だから、ただ「自然を守る」だけでなく、そこでくらす人たちの生活とのバラ
ンスを考えることが大切なの。

ユネスコエコパークは、貴重な自然と、人間のくらしが、昔から深く関係して
いるところが選ばれるのよ。

■なんのためにあるの?

では、ユネスコエコパークは、どうして必要なのでしょうか。
今、世界中で、自然破壊が原因で様々な問題が起こっています。

これらの問題の原因は人間の活動です。しかし、自然を守るために人間の活動をやめてしまっては、私たちは生活できなくなってしまいます。そこで、自然を守りながら賢く活用し、人と自然が共生できる形を探すのが、ユネスコエコパークの目的です。森林の保護・復元やエコツーリズム、そして、その場でくらす私たちが、こうして環境について学ぶことも、ユネスコエコパークの活動のひとつです。

■日本国内では7カ所、世界では631地域

日本のユネスコエコパークは、志賀高原(長野県、群馬県)の他に、
 ●只見(福島県)
 ●南アルプス(山梨県、長野県、静岡県)
 ●白山(石川県、岐阜県、富山県、福井県)
 ●大台ケ原、大峯山(奈良県、三重県)
 ●綾(宮崎県)
 ●屋久島(鹿児島県)
の、合計7カ所があります。世界では119カ国631地域 (※)が登録されています。
※2014年(平成26年)6月現在

▲国内の7カ所のユネスコエコパーク

「人と自然が共生できる形を探す」ってどういうことなの?

「共生」っていうのは、共に生きること、つまり仲良くすることなの。でも、
私たちや山ノ内町だけで、仲良くできればいいのかな?

そんなことはないよね。人と自然の共生は、世界全体のテーマなの。ユネスコ
エコパークは、その形を探す、実験場みたいなもの。ちょっとむずかしい言葉
だと「モデルケース」ね。

私たちが山ノ内町で見つけた「人と自然の共生の形」は、世界中がマネするお手
本になるってことなのよ。

■3つの機能と3つの地域

ユネスコエコパークには、3つの機能があります。

1.保存機能
人間の生活とその影響も含めて、生物多様性(せいぶつたようせい)を守るために重要な地域であること

2.学術的研究支援
持続可能な発展のための調査や研究、教育の場があること

3.経済と社会の発展
自然環境と人間との共生のモデルとなること

これらの機能をはたすために、ユネスコエコパークの中には3つの地域があります。

なんで3つの地域にわかれているのかな?

人と自然の共生を考えるときに、いくつかにわけて考えた方がよいからよ。

まず、「人の生活によって、すぐこわれてしまいそうな自然」があるわ。こ
れが「核心地域」。

「核心地域」は守らなければならないものだけど、とってもめずらしかった
り、キレイだったりするから、みんなが見たいものでもあるわね。だから、
観光や、教育、研究のために、核心地域のまわりに、ある程度、人が開発し
てもよい場所を決めているの。これが「緩衝地域」ね。

そして、その近くに住む人は、核心地域や緩衝地域をこわさないことを考え
ながら、生活しなければならないの。これが「移行地域」よ。

ポイント

■ユネスコエコパークはユネスコの取り組みのひとつ
■目的は、自然と人間の共生のモデルとなること
■3つの機能と、それをはたすための「核心地域」「緩衝地域」「移行地域」がある